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☆ 論理的思考能力と自己管理能力
高校生が、大学への進学を前に学ぶべき一番大切なことは何でしょうか? それは瑣末な受験用語の暗記や小手先のテクニックの習得ではありません。 肝心なのは、次の二つの力を身につけることです。論理的思考能力と自己管理能力。 この二つの力を生徒一人一人が自ら育むためのサポートにこそ、高校生と関わる全て の教育者の本分があるはずですし、私たちの目標もここにあります。
☆ 大学は何を求めているか
そもそも、大学が受験生に求めているのは何なのかを考えてみて下さい。 それぞれの大学が他校とは異なった受験科目を課しており、独自の特色を持つ問題を作っています。 受験生にとって第一にするべきことは、自分の志望校がどのような学力を求めているのか、すなわち、 志望校に合格するにはどのような力が必要なのかを知ることです。大学が過去の入試問題を公開しているのは、 何よりも受験生に自分たちが求めている学力がどのようなものであるか知って欲しいからなのです。 志望する大学の要求を把握したら、次に必要なのは現在の自分自身の学力がどの程度であるかを冷静 に分析することです。自分の力と大学が求める力との間にある差。この差を受験までの期間に埋めて いく作業こそが、受験勉強に他なりません。そこで求められているのは、目標(大学が求める力)と 現状(自分の力)とを的確に把握し、目標達成(合格)のための長期的な学習プランを組み立て、日 々着実にそれをこなしていく作業です。 大学側が求めているのは、こうした作業を上手に成し遂げられる生徒だと言えます。では、このような 過程をたどる上で肝心となってくる力とは何なのでしょう?それこそ、論理的思考能力と自己管理能力 に他ならないのです。自分自身の学力と合格のために必要な力とを正確に見極め、足りない力を補うた めの効果的な学習方法を見出す上で大切なのは、論理的に物事を考え判断する力です。目標に向けて自 分で定めた学習計画を確実に実行していく上で大切なのは、自分自身をコントロールする力です。この 二つの力こそ、大学側が受験生に対して何よりも求めているものであり、また高等学校の教育と受験シ ステムが本来受験生に身につけさせるべきものなのです。なぜなら、大学進学後の研究や社会で働く上 で肝心なのは、まさしくこうした力だからです。受験でしか意味をなさない特殊技術を、大学が必要と するでしょうか。大学が求めるのはそうしたものでなく、進学した後でも役に立つ本物の学力です。
☆ 本物の学力
受験には、多くの人の支えはあっても、結局は自分ひとりで立ち向かわなければなりません。 ならば本当に大切なのは、自分ひとりで学ぶ力であって、塾や高校がなすべきなのは一人で学ぶ力 を育てることであり、また一人で学ぶ上でのサポートであるべきです。この、一人で学び、一人で 問題を解決する力こそ、長期的に考えたときに何より大切な本物の学力なのです。論理的思考能力 と自己管理能力とは、その具体的な内容に他なりません。高校が生徒に勉強を通じて身につけさせ たいのも、大学や社会が必要としているのも、自分で考え、自分を管理し、自分の力で問題を解決 する本物の学力です。単に志望大学の合格にのみ役立つ知識や技術を身につけたところで何の価値 がありましょう?このあたり前のことを忘れた学校や塾が、いかに多いことでしょうか。 私たちは、あえて志望校の合格を第一の目標には掲げません。論理的思考能力と自己管理能力。一 人で学び、一人で問題を解決する力。こうした受験で終わらない本物の学力を身につけるためのサポ ートに、私たちの教育目標はあります。本物の学力が自分のものになったとき、受験生の皆さんは志 望する大学の合格に限りなく近い位置に立っていることでしょう。多くの方が、東京大学をはじめと する難関大学に対して誤った印象を抱いています。確かにそれらの大学に入るのは、単にテストで高 得点を取ることだけを考えた浅はかな受験勉強をしている限りには難しいでしょう。しかし、論理的に 考えることができて、かつ自分で決めた計画を着実にこなせる力を持っている受験生にとっては、少な くとも東大ぐらいに合格するのは決して難しくないのだと、私たちは声を大にして断言したいと思います。 では、こうした力を養うための最適な方法は何なのでしょうか?私たちはそれが国語教育にあること を確信しています。国語がなぜ大切なのか。次にそのことをお話したいと思います。